- あま
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あま【亜麻】アマ科の一年草。 中央アジア原産。 高さ約1メートル。 夏, 白または紫青色の五弁花が咲き, 黒褐色の種子がなる。 茎から繊維をとり, 種子を亜麻仁(アマニ)といい, 亜麻仁油をしぼる。 北海道・東北地方で栽培される。 ヌメゴマ。→ 亜麻糸IIあま【天】「あめ(天)」に同じ。 多く助詞「つ」あるいは「の」を介して他の語を修飾し, また直接複合語をつくるときの形。III
「~の白雲見れど飽かぬかも/万葉 3602」
あま【尼】〔梵 ambā(母の意), パーリ語 ammā からか〕(1)〔仏〕(ア)出家得度して, 正式の仏教修行者となった女性。 比丘尼(ビクニ)。 (イ)なんらかの形で仏門にはいった女性。(2)キリスト教の修道女。(3)女をののしっていう語。 あまっこ。 あまっちょ。(4)肩のあたりで切りそろえた, 中古の尼の髪形。 また, その髪形の少女。 あまそぎ。IV「~にそぎたるちごの/枕草子 155」
あま【案摩・安摩】舞楽の曲名の一。 元来は天竺楽であるが, 平安時代に改作されたといわれる。 原則として二人舞, 時に一人舞。 舞人は衣冠をつけて笏(シヤク)を持ち, 案摩の面(オモテ)をつけ, 地鎮を意味する動作で舞う。 普通, この舞と二の舞を続けて演ずる。 案摩の舞。Vあま【海人・海士】能の一。 五番目物。 志度の浦の海女は, 竜宮に奪われた宝珠を取り返しに来た藤原不比等(フヒト)と契り, 子を産む。 その子房前(フササキ)を世継ぎにする約束で, 命と引き換えに宝珠を取り戻したという伝説を脚色。VIあま【海人・蜑】魚介をとったり, 藻塩を焼いたりするのを業とする者。 漁師。 古くは海部(アマベ)に属した。 あまびと。 いさりびと。VII「~の釣舟/古今(羇旅)」
あま【海士】島根県隠岐郡の町。 隠岐諸島のうち, 中ノ島と周辺の小島を含む。 後鳥羽上皇の配流地。VIIIあま【海女】〔「あま(海人)」と同源〕海に潜って貝・海藻などをとることを職業とする女性。 かずきめ。 ﹝季﹞夏。〔男の場合は「海人・海士」とあてる〕
Japanese explanatory dictionaries. 2013.